991 カレラ M/T .... 981ボクスター S .... 981ケイマン S .... Drive .........
NEW911............
991のマニュアルトランスミッションモデルに乗る機会がありました.................
さらに.............
せっかくなので、 981ボクスターS と 981ケイマンS を同時に持ちだして、走らせてみました...........
全てポルシェが世に送り出した3400ccの水平対向エンジン.................
911 CARRERA M/T タイプ991 1145万円
3436cc 350馬力 390N.m 4500×1810×1305 1410kg
BOXTER S PDK タイプ981 787万円
3436cc 315馬力 360N.m 4374×1801×1281 1390kg
CAYMAN S PDK タイプ981 820万円
3436cc 325馬力 370N.m 4380×1800×1295 1400kg
同じエンジンを搭載して、コンピューターのセッティングで、パワーの出方やパワーそのものに差をつける.........
私的には、そういった回りくどいことをやるならば、911を敢えてスケールダウンせずに前代の997がそうであったように、3600ccで行くべきだと思います...........
エンジンレイアウトや駆動方式、歴史を踏まえても、そこに¥350万の価格差は、庶民にはあらゆる面でしんどい現実です........
991のマニュアルトランスミッションをドライブして感じたことは、想像以上にM/Tの操作感がいいことと、先代の997・3600ccに比べて、パワー感がないこと..........
挙動も感激も...........
それは、間違いなく911で...........回転と共に盛り上がって行くパワー感はやはりポルシェなのですが、5000回転からのパワー感に比べて、下のトルクの薄さを感じてしまうことは否めません.........
上での爽快感が下のトルクを薄く感じさせているのかもしれませんが、少なくとも、かつて、997カレラ後期と暮らしたカレラライフにおける感動は、色あせることなく、私の心にしっかりと刻みこまれています.......
http://porschewbs.exblog.jp/16262891
タイプ991の佇まい.........そしてエクステリアもインテリアも、遥かに私好みなのですが、エンジン出力の印象は絶対的に997後期のカレラだったりします.........
それは、数値的なものではなく、つづら折りの峠道を走り抜けるうえでの必要な.....私が欲しいパワー感です...........
ニュー911をほめちぎる雑誌の文章は.......私にとっては、あまり興味のないことなのですが、それでも、911のこの、ガスペダルをどのエンジンレイアウトのスポーツカーより早く踏んで行ける.........
コーナリング時におけるガスペダルを踏んで曲げていく感は.........最高のコーナリングマシンだと思います...........
そのアクセルワークは、私がこよなく愛するミッドシップポルシェのそれよりも、遥かに攻め込み系の操作感で..........
戦闘民族にはまったくもって、たまらないスポーツレイアウトだと思います...........
911を戦闘マシンとして走り込んだことがある人は、たぶん、他のエンジンレイアウトにはもう行けないのではないかと........
基本的に、本気走りの心の中の神髄はガスペダルをいかに長く踏み続けられるかではないかと.....
ポルシェのブレーキを知ると、その懐の深さにのめり込むこともまた、あるのですが、ガスペダルを踏み続けていることの幸せには、かなわないと.........そう思います............
どのエンジンレイアウトの車よりも、より積極的にガスペダルを踏み込んでいける.......そしてその低重心からくるトラクションと安定感は、付け焼刃では決して得ることのできない、前のめり的な走り感を与えてくれます............
そういった意味では、911という車の存在感は、唯一無二な存在で.........
その高くなりすぎた新車価格の設定と重くなりすぎた車重以外は、私は全面的に911を支持してしまいます............
私が今走らせているボクスタースパイダーとは、同じ排気量ですが、重量にして100㎏の差があります.........
この重量差は、中途半端なパワーや小手先の電子制御では埋められるものではありませんが、それでも、911自体の魅力は、計り知れないものがあります............
ポルシェAGには、911カレラのGT3ではない、素のカレラの軽量化バージョンを低価格で提供してくれることを切に願ってしまいます........
そして..................同時に乗ってしまって、比較してしまった981系のケイマンSとボクスターSです........
エンジンレイアウト云々の比較は別として...................
とにかく、CPUごときにこんなに性格を変えられてしまって..........
なんと可愛そうな...............
ということになってしまうのが、比較してしまったこの2台です...............
ケイマンSもボクスターSも、単独で乗れば、何の不満も感じないでいられるのですが、あくまで同じエンジンという意識のもとにエンジンフィールを比べてしまうと、明らかにカレラのエンジンの吹き抜けていく回転フィールに惹かれてしまいます.............
ケイマンSのエンジンはカレラと比べると、明らかに上でざらついてしまい、ボクスターSに関しては、意識的に、ある回転域から、パワーを封じ込めに入っている感じがはっきりとわかります..........
私的には、こういう味付けは、好ましくないと感じてしまいます.................
それならば、いっそのこと排気量で差をつけて、むしろ、スポーツカーの真骨頂であるエンジンフィールに......
五感に訴える “ 官能性 ” に重きを置いて欲しいと思ってしまいます..........
単独で乗れば、何の不満も持たないのですが..........
その価格から差がついて当たり前の性能も..........
その手段においては、少々、印象が悪くなっても仕方がないと.............
今回のこの3400ccのエンジンにおける差別化は、印象が悪い...........
しかし、走り比べてみると、明らかに、パワー、回転フィールにおいて劣っている、ケイマンSのほうが、トータルでは速いかなと................
走りにおける981系の印象は、とてもいいです.......
さらに、今回の981系の旋回能力は、素晴らしいものがあります..............
ケイマンのボディ剛性云々は言うまでもないことですが、コーナリングスピードと安定感は........
同じ人間が乗ったとしても、カレラよりもケイマンSのほうがより速く、安心して走れるだろう......そう思います............
同じことはボクスターSにも言えることで、より安易に、恐怖感もなく.........安定感がとにかくすごいです.........
好みの問題で、また、お値段の問題もあって、選択肢は限られたとしても、それでも、この3台の立ち位置は、ある種拮抗してしまったというのが私の印象です...........
ニュルブルクリンクでケイマンSのタイムがカレラをしのいでしまったのも納得の安定感です...........
私にとっては、ポルシェがそう望むならば.........................
いつまでも911の存在を孤高のスポーツカーとして君臨させておくならば.......
それならば、例え素のカレラと言えども、圧倒的な存在にして欲しいものです..............
私にとって911とは............
そういう存在であって欲しい車の一台です.......................