ボクスタースパイダーで走り続ける理由.........
私にとって、やっと出逢えた理想のワインディングマシンがボクスタースパイダーというポルシェが造ったミッドシップだったわけですが............
幸か不幸か、その後に世に出たミッドシップポルシェもRRポルシェも、今のところ走りと値段とスタイリングのバランスから私の心の琴線に触れるものは、いまだありません...........
さらに他車メーカーにおいても、ワインディングをメインに考えた走りに振った車.................
という観点から見ると、選択も絞られ............
リアルスポーツを謳っている車でも、エンジンが汎用品であったり、ブレーキの内容が乏しかったり.........
車重が重すぎたり..........走らせると実は遅かったりと...........
それらを鑑みても.................
わたくしの中でのボクスタースパイダーのトータルでの完成度の高さは、群を抜いてるように思えます............
さらに、走り続けるために必要なランニングコストやメンテナンスコスト、またパーツ類の金額においても、ある程度納得のいける範囲だと考えています..............
量産ポルシェの中で今現在、最も走りに振ったモデルとしてGT3という911がありますが、私がドライブした997のGT3は............それはもう911カレラとは全く別の車で...........
GT3をドライブすると直感でそう思いますし、実際エンジン自体、チタンのコンロッドに鍛造ピストンなどなど...........
全ての面で、GT3はスペシャルです..............
しかし、あらゆる意味で走りこんでいって交換パーツが出てきてしまった時のメンテナンスコストは...........
車一台分は覚悟するようです............
スペックや官能性、スーパーカー度など..............
ボクスタースパイダーを新車で購入するとなると、そこそこ程度のいいフェラーリやランボルギーニも視野に入ってきましたし、実際GT3も検討していたわたくしですが............
そして、それらの車のオーナー達の “ そんなに壊れないよ ” という言葉にも............
“ そうかもしれないな? ” と思いながらも.............
それでも..............自分の走らせ方を続けて、本当に大丈夫なのかと?....................
週末にカルガモ走行でランチに行く為だけならいいのかもしれないが............
フル加速からのフルブレーキングを何百回繰り返す愚かな行為を毎週やっても平気なのか・・・・・・( ̄  ̄;) うーん?..........と............
友人の一人が...............
スターレットやシビックなどのクラスの車で走る、いわゆる “ 草レース ” というものに精を出している時期があり..............
当時友人は、スターレットで参戦していて、Vテックエンジンのシビックにストレートでは、まったく歯が立たなかったという..........
ところが、1・2年過ぎるうちに.......Vテックを駆って参戦していた連中の車がいつの間にかスターレットにほとんど変わっていってしまって、仕舞いにはスターレットのワンメイクレースのようになってしまったという.......
私も昔ホンダ車に乗っていたこともあり、Vテックが発売された当時は、F1のマクラーレンホンダのイメージも手伝って、“ Powered by HONDA ” のステッカーの文字に心が躍りました(^^♪.........
何よりも、どこまで回るんだ!といわんばかりのカムの切り替えがはっきりとわかる、そのわかりやすさに、まんまとやられていたわけです..........
本当の技術とは、対象にまったく気づかれずに行われることなのですが........当時の若かりし頃の私は、ほとんどの若者がそうであるように、そいうギミックにまんまと踊らされていたわけです.............
しかし、高回転まで回ることが売りとして売られていたVテック..........
もろ刃の剣として、耐久性は低いわけです...........
さらに、エアコンをかけた時の始動パワーは........当時軽より遅いだろうと............
それでもその時は、その高回転域の一瞬の快楽に身をゆだねてしまっていたわけです.......
しかし、一世を風靡したそのエンジンもお金をかけることを最小限にしなければならない “ 草レース ” では、修理されることもなく次々と闇に葬られていってしまったわけです........
それに対して、ハイメカツインカムという頑丈な心臓を持ったスターレットは、トップスピードこそシビックに及ばずとも耐久性を武器に、エンジンが逝くことも無く..........
友人の “ 草レース ” 活動を最後まで支えてくれたそうです.........
エンジンが壊れることなどまず考えられない日本車でさえ、高回転という負荷をかけ続けるといってしまう.........
当たり前の事なのですが..........
スーパーカー感満載な流麗なスタイリングを目の前にすると.........
そういう解りきった事実を忘れ...........
目の前の “ 欲しい欲しい対象 ” に目がくらんでしまうと、理性がぶっ飛んでしまう愚かな男の子がたくさんいたりするわけです(^_^;)...........
かっこよくて、ハイパワーで、希少な高額なスーパーカー...............
走りこんでいった先のランニングコストが安いわけはないのです..............
世に、数千kmしか走っていないフェラーリが多いいことには、ちゃんと意味があるわけで..........
ボクスタースパイダーのベースはあくまでボクスター、ケイマンであって、単純に軽量化を基準に、その動力性能を上げるという手法をとっています............
そういう意味では、使われている動力パーツは全て標準品で構成されていて........GT3のようなスペシャルパーツ満載のスポーツマシンとは根本的に違います..............
それでも、そこはポルシェ.............
ちょうどいい塩梅の走りのミッドシップに作り上げてくれています..............
そういう意味で、ちょっとだけ人よりハードに走らせているわたくしにとって、ボクスタースパイダーはこの上ない素材となるわけです................
ランニングコストは、安いに越したことはないですし..........走らせ続ける以上、交換しなければならないパーツは出てきて当たり前なのですから..............
新しいものが出てきたとき、新しいというだけですぐに目移りをするというこがあまりないわたくし.........
どちらかというと、自分の目的に対して本当にいいものを見つけたら、それ以外目に入らなくなってしまうわたくしにとっては、今現在、 “ 最良の選択 ” がボクスタースパイダーとなるわけです........
ほとんどワインディングロードのみを走るためのわたくしのボクスタースパイダーは、タイヤもブレーキパッドも年に2セット、エンジンオイルやミッションオイルの交換も含めると、そのランニングコストはそれなりのコストになります............
それに加えて、動力パーツの交換や故障が相次いでしまったら、それはもうそういう走りを続けることはできません...............
見せるために....所有する為だけに車を選ぶのではなく..........
走らせるために “ ポルシェ ” を選ぶということは、必然的にランニングコストや耐久性を含めたトータルでの選択になるわけで.... “ 今、これしかないだろう ” という走りのポルシェが、私にとってはボクスタースパイダーそのものになるわけです.........
ボクスター・ケイマン系のポルシェならば、同じタイヤサイズの、国産のスポーツカーといわれている車でワインディングを走っていても、さほどランニングコストは変わらないと思います........
同年代の車両を購入する場合の価格差だけが、コスト的な差となるわけですが、お金だけでは決して割り切れないほどの “ 走りへのこだわり ” が、ポルシェの車作りには随所に見ることができます......
宝探しではないですが、それを見つけるたびに “ 思いのままに走ることの意味 ” を探し続けているわたくしは、いちいち感動してしまいます........
それは、グラム単位の軽量化への痕跡であったり....mm単位のグレードごとのパーツの違いであったり.....
そして、その違いを走らせているときに気づいてしまったときなど...............
“ ミッキーを探せ ” 的なその “ 走りへのアイテムを探せ ” という行為が、ポルシェに乗っていると永遠に続いていきます..............
そしてそれが、他に行けなくなってしまった理由にもなるわけですが............
それにしても、ワインディングを軽快に走り続けるうえでは、最小限のランニングコストは必要なわけで...........
それをポルシェでやるという以上、ポルシェの中でも標準的なパーツで構成された車両でなおかつ走りに振ったモデルならば、トータルでバランスがいいと..........
わたくしにとって走らせないポルシェは、絵に描いた餅と同じで..............
これだけの素晴らしい “ 走りへのこだわり ” を持った “ マシン ” を..............
所有するだけで満足するという種類の機械にするのはとても罪深い行為だと................
心の底からで思ってしまうわけです(*^_^*)...............